
原 作:山村美紗
脚 本:波多野 都
音 楽:藤原いくろう
監 督:上杉尚祺
プロデューサー:関 拓也(テレビ朝日)・榎本美華(東映)・丸山真哉(東映)
制 作:テレビ朝日・東映
出演
狩矢和美 藤谷美紀
狩矢警部 田村 亮
夏目利彦 原田龍二
山野美野里 山村紅葉
中本あかね 伊藤かずえ
井丘尚美 映美くらら
戸辺侑哉 湯江健幸
野村映子 大島蓉子
早田春平 深水三章
狩矢澄江 中野良子
ほか
和美(藤谷美紀)は、編集プロダクション『唐竹企画』の記者兼カメラマン。夏目利彦(原田龍二)という京日新聞の記者の恋人がいて、父親は京都府警捜査一課・狩矢警部(田村亮)。
ある日、京日新聞の記者が案内するツアーに同行取材することになった和美は、案内役代理の夏目とともにツアーを開始。
ツアーの参加者は、染物会社の広報課長・戸辺侑哉(湯江健幸)とその部下・井丘尚美(映美くらら)、売れない女優・野村映子(大島蓉子)と着物のリフォームを手がける中本あかね(伊藤かずえ)、クラブママの立田リカ(大家由祐子)とスポンサーの仏具チェーン社長・酒井義夫(峰蘭太郎)、そしてリカの店のホステス・相川みどり(堀まゆみ)ら。
慣れない観光ガイドにあくせくする夏目だったが、女性たちからは“イケメンガイド”だと大人気!そんな中、和美は戸辺とリカが言い争うところを目撃し、不審に思う。
ツアーのハイライトは“嵯峨野トロッコ列車”と、その終点、亀岡からの“保津川下り”。ところがその船上で突然、持参した携帯ポットの飲み物を口にしたリカが苦悶し絶命してしまったのだ!
捜査を開始した狩矢警部らは、毒物による中毒死と判断する。何者かがポットに毒物を混入した可能性があり、まずは、リカと口論していた戸辺が疑われるが、戸辺は初対面のリカに店に来るようしつこく誘われて断ったら逆上されただけだと話す。
そんな中、みどりがリカに多額の金を借りトラブルになっていたことが判明。だが、みどりは「私はやっていない」と強気な態度を崩さない。しかも、和美はみどりが「私は犯人を知っている。あなたの“番号”と一緒だったの」と知人に電話しているのを聞く。そしてその様子を、帽子をかぶった年配の男がうかがっていることにも気づいた。和美の撮ったツアー写真から小さく写った年配の男の写真を得ようと頼む父である狩矢警部に、和美がみどりの電話の件を話すと、狩矢はみどりに詳しい話を聞くよう連絡をとる。
しかし翌朝みどりの刺殺体が発見される。和美と夏目は彼女の電話相手「ふくちゃん」に行き着くと、彼は“番号”というのは4桁の暗証番号だろうと話す。4桁の番号「4589」が犯人と同じ、ということはどういうことなのか。
和美はふとしたことから4桁の番号は画数ではないかと思い調べると、みどりが姓名判断に凝っていて、名前の画数を気にしていたということが分かった。どうやらみどりのいう犯人とは字画がその番号と一致する人間だろうと判断した和美は、夏目と共に、字画が一致した2名、戸辺と尚美に会いに行く。戸辺は、そんな占いみたいな話なら帰ってくれと踵を返すが戸辺は、女子社員が運ぶ花に激しく咳き込むのだった。
一方狩矢警部らは、帽子をかぶった年配の男を追う。そして夏目の調べで、戸辺の母親が3年前に焼死し、ちょうどその頃リカが店をオープンしたこと、その頃まで戸辺とリカが付き合っていたことがわかる。あかねの店を訪ねた和美は、客として例の帽子の男が店から出てくるのを目撃、追うが見失ってしまう。
翌日戸辺の家を訪れた和美と夏目は、ドアも窓も閉められた室内で戸辺が死んでいるのを発見。戸辺の近くにはカサブランカの花と花瓶が倒れ水浸しになっていて、家のカギが落ちていた。またパソコンの画面には、3年前に戸辺家に火をつけて母を殺したのはリカで、その復讐でリカを殺し、ゆすってきたみどりをも殺したのは自分だという「遺書」が打ってあった。
花で咳き込んでいた戸辺が花を部屋に飾るはずがない、そう考えた和美は、密室に擬装した殺人だと考えた。カギが戸辺の近くに落ちていたことがネックになっていたが、夏目とのデートで流しそうめんを見たことがヒントとなり、ホースと水を使ったトリックを解明した。
一方狩矢は、古いアルバムに、男と一緒に写る若き日の戸辺の母の写真を見つける。その男はあの帽子の男の若き日の姿だった。
残った「4589」は尚美ただ一人。彼女が犯人なら動機は?和美は尚美に話を聞こうとするが、そこに例の帽子の男が突如現れ尚美を殴りつける。
「もう事件は終わったのになぜかぎまわる?」「やっと守ってやれる日が来た」と和美に襲い掛かる帽子の男。かけつける夏目。そして中本あかねを狩矢らが連れてくる。あかねは本名を「明音」といい、「4589」となる。さらにあかねは戸辺の母と実の母子のような関係だった。そして帽子の男はあかねの実の父親で、戸辺の母とかつて恋人だった
早田春平(深水三章)だった。あかねを陰から見守っていたのだ。
リカが戸辺家に火をつけたというのを聞いてしまったあかね。すべてはあかねの復讐劇だったのだ。
『狩矢父娘シリーズ』の13作目。
ほぼ年1本だったので、前作から8か月で新作とはうれしい限りです。
ツアーで参加者が死ぬ、陰から怪しい男が見ている、日常のささいなことがヒントとなり、最後の最後にそれまでほとんど出てこなかった謎が全部明らかになる、という実に山村サスペンスらしい作品。
期待以上でも以下でもありません。
こういうドラマでは犯人探し自体がとっても困難。この人が犯人じゃないかなって思っても、動機などは最後にまとめてどーんって出ますからね。だからそういう風に見るのではなく、なんというか味わうというのがいい楽しみ方なんじゃないかなぁ。
だって最後、何のためらいもなく「お父さん」というあかね。何の感動もありません。
和美・夏目のカップルは20代後半〜30代前半カップルの設定でしょうか。
藤谷さん、もう38歳。原田さんは40歳。ドラマで見るとみんな若い。狩矢警部(田村さん)だって、本来なら定年すぎてますもの。まずはそんなところに感心。
それから、このシリーズは音楽がいいですね。山村紅葉さんが登場するところなどに流れるお気楽な音楽もいいんですが、事件について考えるときに流れるマイナー調のちょっと悲しい音楽がかなりいいです。
個人的には、北野映画やOVA「呪恩」でおなじみの大家由祐子さんが楽しみでしたが、すぐに殺されてしまう役でがっかり。それから映美くららさんは相変わらず清楚でかつ凛としてていいですね。
あと、このシリーズでは狩矢警部の妻、和美の母である狩矢澄江(中野良子)が癒しポイントになっています。
中野さんの中でもいちばんほんわかとした役どころではないかと思えるほど。いい味の役なんですよ。
ラストシーンで「もうそうめんも終わり」というのがあって、これは夏の終わりを意味しています。
それがなんとなく寂しい感じでした。
といってもここ
どうせ誰も見てませんからっ(UoU)。。。